2010年10月8日金曜日

マーケティング3.0 企業と生活者の立場が逆転するまでの流れ まとめ

「コトラーのマーケティング3.0」を読み、流れをまとめてみました。

マーケティングは現在まで、製品管理、顧客管理、ブランド管理という3つの大きな柱を軸に発展。

50年~60年代の製品管理中心の概念から、70年代~80年代には、顧客管理中心の概念へと進化し、その後さらに、90年代にはブランド管理という柱が新たに加わる事になる。

50年代~60年代:戦後間もなく、人々は自らの生活を豊かにするため、消費をいとわない状況。マーケティングに求められていたものは、製品の開発、価格の決定、プロモーション、流通先の配置と、いわゆる4Pをいかに効率的に行うか、企業視点での戦術的指標だけが重要視された時代であった。



70年代~80年代:石油ショックによるスタグフレーションにより、先進国経済全般が大きな打撃を受けると、事態は一変。需要が著しく不足する状況となり、マーケターは消費者の需要を喚起させるために、よりよいコンセプトを生み出さざるをえなくなってしまった。
そのため、効果的な需要創出のためには、「製品」ではなく「顧客」を中心に据えるべきであるという流れが出来、実行のためのツールとして、4PからSTP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)などの顧客管理の手法が導入された。しかしこの時点においても、企業がいかにして消費者を効率的に管理出来るのか?という、企業の上から目線での取り組みがなされていた。

90年代:インターネットの誕生にともない、人と人とのネットワークが拡大、クチコミの情報伝達の速度・範囲が急速に拡大された。以前であれば一日に10人程度にクチコミするのがやっとだったのに対して、現状では一日で数千人、数万人に一個人がクチコミを行う事も可能となる環境を一個人が手にいれた。また、それまでに幾度となく企業にだまされてきた生活者は企業よりも他の生活者の発言を信頼するようになっており、web上に蓄積された世界中の情報を積極的に手に入れ、製品もしくはサービスの善し悪しを自らで判断する時代へと突入している。このような状況はソーシャルメディアの台頭によりますます加速される事になる。






マーケティング1.0~3.0への流れの中で、完璧な製品、完璧な顧客管理を実現するのは当たり前の状況となりつつあり、今後は生活者の事を第一に考え、さらには世の中をよりよくするためには企業が何をすべきなのかを深く考え、実現していく事が、結果として、他社との差別化、ブランディングに繋がると理解させられます。(ただしこのような取り組みの実現には、多くの時間がかかることも確かであるとの言及がされています。)

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