2011年6月29日水曜日

”祭り”のバイラル性を逆手にとった"炎上マーケティング" 釣りマーケティング?





意図とは裏腹に、非難・批判のコメントやトラックバックが殺到し炎上してしまうのではとの恐れは、サイトやキャンペーンの運営者は常に抱えているのではないでしょうか。

古くは、サイバーエージェント『男の子牧場』や、ネスレFacebookファンページ炎上など枚挙にいとまがありません。

炎上の特徴の一つとして、話題の伝播の早さと、参加者に醸成される一体感等が上げられますが、今回の事例はそれらを戦略的に利用し、実行しているものです。





ちなみに、このキャンペーン、2011年カンヌライオンズでプロモ&アクティベーション部門とダイレクト部門の2部門でグランプリ受賞プロモーションです。

■ 背景
ルーマニアのチョコレート菓子「ROM」は、1989年のルーマニア民主化以来、パッケージに国旗をモチーフとしたデザインを採用し、長らく多くの国民に愛されてきたが、近年若者にとっては『ダサいお菓子』の典型となり売れ行きが芳しくなかった。

この状況を打開すべく、ルーマニアの若者の大多数が考える“クール”の代名詞と言えば『アメリカブランド』、という認識を生かすとともに、国民の愛国心をあおることを企図。

■ 実施施策概要
プロモーション第1段階
「ROM」のパッケージデザインを『ルーマニア国旗』から、若者の間にクールの代名詞として根付いている、アメリカブランドを利用するため、『アメリカ国旗』をモチーフにしたデザインに刷新。パッケージの変更について、TV-CMや店頭キャンペーン、WEBサイトなどで告知を実施。

この行為により、ルーマニア人の愛国心に火をつけることになり、国民からこのデザイン変更への非難、批判が続出。
プライムタイムのニュース番組やFacebookでも一斉に抗議活動が実施され、盛り上がりをみせたようです。



プロモーション第2段階
パッケージデザインを即座に元のルーマニア国旗デザインに戻し、アメリカ国旗デザインへの変更が『ジョークであったこと』を発表。
「ルーマニア人の愛国心を再発見」を『みんなで喜びましょうよ』と生活者に呼びかけたとのこと。


■ 結果
このキャンペーンの結果以下の成果を獲得したとの事です。
・ルーマニア国民認知率:67%
・広告換算で300,000ユーロものフリーパブリシティーを獲得
・何千もの「ROM」に対するブログ上での議論が発生
・Facebookのファンはわずか4日間で20000人増加、6日間ではキャンペーン
実施前の300%増加。
・ブランド指数:124%増加
・同市場で圧倒的な20%ものシェア獲得




国民性の違いから、なかなか同様の施策実施は難しいとは思いますが、ブランドの姿勢への批判をあおるだけあおり、着地させる発想とそれを実行する度胸。
すばらしい限りです。超ハイレベルな炎上マーケティングです。


○ 引用元サイト
Ads Of The World

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