2011年11月5日土曜日
学び意欲を4視点からとらえる ARCSモデル
ゲーミフィケーションをマーケティング施策に取り込むための一考察
最近ゲーミフィケーションなるキーワードが気になり、マーケティングやサービスに取り込むためのアイディアや参考記事をあさっています。
そんな中、アメリカの教育工学者ジョン・M・ケラー(John M.Keller)が提唱している「A R C S 動機づけモデル」が気になったのでご紹介します。
---動機づけ研究の整理とARCS モデル---
生活者が学習意欲を高め、継続的に学習を続けるための要素として次の4要素が重要であるとケラーは提唱しています。
注意(Attention) おもしろそう!
↓
関連性(Relevance)やりがいがありそう!
↓
自信(Confidence)やればできそう!
↓
満足感(Satisfaction) やってよかった!
「注意」:おもしろそうだ!
目新らしいことに関心が集まること、「おやおかしいぞ、調べてみよう」という好奇心などが刺激され、学習意欲が高まりますよね。
<注意>の側面が満たされていると、学びにスムーズに入っていける状態になります、
逆に注意が散漫であると、いくら情報が与えられても全く耳に入らないことになります。
「関連性」:やりがいがありそうだ!
意欲的にものごとに取り組むためには、「何のため努力しているのか」つまり、自身に関連性が高いという事を理解する事が重要となります。
<関連性>を高めるためには、「自分の良く知っていることと関係がある」と思えることや、友達や好きな先生と一緒に勉強するといったプロセスそのものの価値も「やりがい」つまり<関連性>を高めると考えられています。
「自信」:やればできそうだ!
「やってもどうせ無駄だ。失敗するにきまっている」と思えば意欲を失ってしまいますよね。しかし逆に、最初にどんなにやさしい部分ででも「うまくいった」という成功の体験を重ね、成功したのは自分が努力したためだと思えれば、学びへの<自信>も高まっていきます。成功体験を重ねなれた頃にチャレンジ精神をくすぐるような課題に挑戦させる事が好奇心を刺激し、継続的に学習を行っていくという上で大切な要素となるのです。
「満足感」:やってよかった!
学習意欲は<持続させること>が難しいですよね。持続させるためには満足感を経験させる事が重要であるとケラーは提唱しています。また、孤立した状態で学習が行われるとすれば、<満足感>は得にくいものになるそうです。友達と遊ぶ、他者に褒めてもらう、成果を確かめ合い、互いに認め合うといった人間関係の中で得られる<満足感>は次の学びに少なからぬ影響があることは確かに理解できます。
最近何かと話題に上る事が多いゲーミフィケーションをサービスやキャンペーンに応用した企画をする際に、参加者のモチベーションマネジメントのチェック項目として活用できるのではないでしょうか。
引用文献:鈴木克明 井口巌 「独学を支援する教材設入門」
1995 東北学院大学教育工学研究室
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